糖質制限というダイエット方法がありますが、これは本当に理にかなった方法で痩せれるのでしょうか??
半年で99kg→70kgを実現した私が、糖質制限ダイエットをしてみてわかった、「よかったこと」「留意点」をまとめてご紹介したいと思います。
糖質制限ってなぜ痩せるの?なんだか体に悪そうなんだけど。。
理屈がわかれば、安心して取り組めて、効果も出しやすいよ。
どうして糖質制限で痩せることができるの?
なぜ痩せるか、の前に、なぜ太るか、を考えてみましょう。
太るメカニズム
一般的に、「たんぱく質・脂質・炭水化物」が三大栄養素と呼ばれ、そのほかに「無機質、ビタミン」などが栄養素として知られます。ちなみに「糖質」とは、炭水化物の一要素で、「炭水化物=糖質+食物繊維」を指します。食物繊維は大事な栄養素ですが、糖質と比較すると圧倒的に少量なので糖質制限ダイエットは「炭水化物ダイエット」と同義で話されることも多いです。
この「たんぱく質・脂質・炭水化物(糖質)」は体の中でエネルギーになることが可能な栄養素。すなわち車に例えるとガソリンです。体を動かすこと以外にも、そもそも生きていくための最低限の用途(呼吸したり内臓を動かしたり)にも使われます。ちなみに野菜や果物からビタミンやミネラルを摂っても、それはエネルギーにはなれません。エネルギーをつくる手助けをするだけです。
食物から採るエネルギーと使うエネルギーの過不足が合っていたらよいのですが、食べ過ぎると太るのはもちろん食べるエネルギーのほうが多いから。
なお、エネルギーとして使う優先順位は糖質→脂質→たんぱく質。ここがポイントですね。たんぱく質や脂質は「カラダをつくる」という役割がありますが、糖質の役割はずばり「エネルギー化」。そして栄養素の中で唯一血糖値(血液中の糖濃度)をあげる働きをします。ここに「インスリン」というホルモンが登場してきます。
インスリンの本来の目的は血糖値を一定に保つため。
そのために糖をエネルギーとして使われるべき筋肉や、エネルギーを貯めておける肝臓(グリコーゲンという貯蔵庫)や脂肪細胞に運びます。摂りすぎた糖はまずグリコーゲンに蓄えられ、そのリミットを超えると脂肪となります。
人間には生存欲求があるので、過去の進化の中でできる限りカラダに栄養を貯蔵する仕組みが備わってきました。貯蔵庫その1(短期間向け)がグリコーゲンで、貯蔵庫その2(長期間向け)が脂肪です。脂肪細胞はどんどん糖を受け入れれてしまうので、すなわち「太る」のです。
名前だけからだと脂質のほうが太ってしまいそうに思いますが、脂質にはホルモンや細胞膜・脳組織をつくる大事な役割があります。もちろん脂肪細胞にも貯蔵されますが脂肪化スピードは糖質のほうが上、というわけです。
糖質制限で痩せるメカニズム
じゃあ糖質をとらなければ痩せるの?
じゃあ、糖質を減らせば痩せるのね。
カラダに必要なたんぱく質や脂質とのバランスも考えないとね。減らしたいのは体脂肪だけだし。
ダイエットで減らしたいのは体重ではなく体脂肪のハズ。糖質を減らせば体脂肪が減るのでしょうか?
これはYESです。
糖質の役割が「エネルギー化」だというのは既に述べましたが、毎回の食事で糖質を摂取する人は、カラダの中で糖質をエネルギーに直接換える回路が働き続けています(解糖系と呼ばれます)。でもさすがに睡眠中は糖質を摂取しないので、そういった短期の「飢餓状態」時には既述の「貯蔵庫その1:グリコーゲン」の出番。でもここに貯蔵されているエネルギーは数時間分。なのでそれが尽きるといよいよ「貯蔵庫その2:中性脂肪」の出番。
その時、人のカラダではまずは筋肉のアミノ酸と、脂肪を使って糖を作ろうとします(糖新生)。ですが作りだせる糖には限界があり、ここでカラダで利用するエネルギーのシフトが起きます。
「糖エネルギー ➡ 脂肪エネルギー」へ
ここで中性脂肪が分解され、グリセロールと脂肪酸に分かれ、エネルギーとして使われます。グリセロールは糖新生を経て糖になり、脂肪酸もそれだけでエネルギーとしても使われますが、最もエネルギーを必要とする脳や心臓では使えないため、肝臓でケトン体という物質に生まれ変わり、これが糖エネルギーの代わりに全身で使われ始めます。
糖質制限ダイエットの基本コンセプトは、「糖の飢餓状態」を作り出し、このケトン体を生み出す回路を作り上げること。するとどんどん体脂肪がカラダのエネルギーとして分解されていきます。これは英語で「ケトジェニック状態」と呼ばれ、糖質制限ダイエットは「ケトジェニックダイエット」とも呼ばれます。(炭水化物ダイエットと呼ばれたり、ケトジェニックダイエットと呼ばれたり、これを提唱した医師の名前からアトキンスダイエットと呼ばれたり。。でもすべて理屈は同じです)
「意図的に糖が足りない状態を作り出し、脂肪からそれに代わるエネルギーを作り出せるような食べ方をしよう。でも我慢はせずに。」これが糖質制限ダイエットですね。
お腹はすかないの?
お腹はもちろんすきます(笑)
カラダの代謝に必要なエネルギーは採らないと筋肉が現象しますし、栄養失調に陥ります。
ただ偽モノの空腹感には騙されなくなります。これは血糖値が急に低下したときに起こりえます。
お腹いっぱいにお昼ごはんを食べたのに、3時にはおやつが食べたくなる。これは、お昼に摂取した糖質が血糖値を上げ、それを下げるためにインスリンが分泌され、急激に下がる。その時、胃には消化されていない食物があるにも関わらず、空腹感を感じたりします。
これは血糖値をあげる炭水化物を摂取するから起きる現象です。
糖質制限ダイエットをしていると、血糖値の上昇自体が起きにくくなるので、このような偽の空腹感からは逃れることができます。
腹持ちがいい、という言葉があります。
この言葉が何から生まれたか、には諸説あるようですが、「消化に時間がかかるからお腹が減らない」というものと「食後の血糖値上昇が緩やか(GI値が低い)だからお腹が減らない」というものが多そうです。
きちんとタンパク質と脂質を摂取していたら、正しい満腹感を感じます。
満腹中枢についての記事はこちら↓
糖質制限ダイエットを始めよう!
カロリー制限ダイエットとの違いは?
そもそもカロリー制限とは何が違うのでしょうか?その記事を書いてみました。
継続しないと効果は出ない・・・継続の秘訣。
結局のところ、糖質制限だろうが、カロリー制限だろうが、「継続できたら痩せる」というのが私の持論です。
それがついつい、カロリー制限ダイエットで食べ過ぎてしまったり、糖質制限ダイエットなのに耐水化物を摂ってしまったり、ということで崩れてしまう。。
継続するために一番大事なこと。それは「記録」です。
食べたものを、や、カロリーを、とかではなく、単純に毎日、体重計に乗る。それだけで効果絶大だと思っています。
今はスマホのアプリでも、簡単に日々の体重を管理できるものがたくさんありますよね。
私が利用しているのはRecStyleです。
日々の変動はあれど、ちゃんと継続できていれば、折れ線グラフは右肩下がりになるし、それを週次や月次のグラフにしたらもう顕著。
そもそも人の脳って、見える化されたものはコントロールしたくなるようにできているので、どうすれば体重の増減が発生したか、を瞬時に考えるのですよね。
「あ、やっぱり、昨日の晩御飯で少し体重増えたか。。じゃあ、今夜は少し控えめに。」みたいな。
こういう小さなところで継続のモチベーションコントロールをすることは大事ですよね。
ちゃんとケトン体が生まれてる?ケトジェニック状態の確認方法
糖質制限ダイエットがきちんとできているかどうか、その判断材料は体重の減少もそうですが、これまでに書いてきたとおり科学的には
①糖質摂取が減る。
②グリコーゲンに貯蔵していたエネルギーを使う。
③②を使い果たすと、次に必要な糖は糖新生により調達する
④さらに糖新生でも追いつかなくなると、脂肪細胞からケトン体を生み出す
という順番で進みます。つまり「ケトン体がカラダの中に存在しているかどうか」が糖質制限ダイエットが機能しているひとつの目安でもあるわけです。
実はケトン体濃度を測れる試験紙が市販されています。これにより糖質制限ダイエットの順調度を見える化することができますね。
それが「ケトスティックス」「ケトダイアスティックス」です。(正確には、でした。)
元々はバイエル薬品から糖尿病患者向けに発売されていて、私も数年前に薬局で取り寄せたものを現在も使っていますが、2016年に販売終了となったようですね。ですが、今でも楽天などで輸入品として取り扱っているようです。
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他にも他社さんからも発売されているものがあるようですね。ある意味、毎日「この色出すぞ!」という謎のモチベーションも生まれます。
これも「継続」を維持させるひとつの仕掛けですよね。
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