TOEIC900点でも英語は話せない。それでも900点はあったほうがいい。

英語学習

私のTOEIC歴

私の英語力はTOEIC325点からスタートし、その状態で外資系企業に入社しました。

始めの1年で700点を超えたものの、800点の壁を超えるのに5年、900点にはさらに5年の時間がかかりました(ただ単純に受けてなかった、というのもありますが。。)。

ちなみに外資系で英語をペラペラ話しながら仕事している人はほとんどTOEICなんて受けてません。単純に「喋れる」ので、それを測るモノサシを必要としていないのです。そういう人を採用するときも、英語のレジュメ見て、英語で面接するのでスコアなんて関係ないわけです。

TOEICスコアの意味あい

長年、日系企業や外資系企業で人事として働いてきた私が思うTOEICのスコアというのは、

①英語力を高めようとする人がその進捗を見える化するために利用するもの

②社員の英語力を高めたいと思っている、主として日系企業がモノサシとして利用するもの

③転職/就職時に履歴書に書いて、一定の英語力をアピールできるもの

ではないかな、と考えています。

TOEIC900点のメリット

とはいえ、900点を取るメリットは多く、以下のものがあげられます。

○スゲーと思われる。

○自分スゲーと思える。

○TOEICスコアが基準になっているもの(転職の募集要件や、社内での海外出張基準など)は基本的にすべてクリアできる。

ひとつずつ見ていきましょう。

スゲーと思われる

TOEICの統計をみると、900点というのは全体の受験者の中のおおよそ3.5%です。
TOEICには公開テストとIPテストがあり、前者のほうが受験者のレベルは高いです。
(IPテストは企業内での受験なので、英語力を高めたいと思っている「企業」や「学校」が社員/学生に受けさせるもの。中には受けたくない受験者も相応に混じっていることが想像されます。それに対して公開テストは自分で受験料を払って受けに来ている人たちなので、努力の中身が相対的に濃い集団ということになります)
そのような母集団のなかでの3.5%というのは、その価値を知っている人からみれば、これはもう神レベルと言っても過言ではないでしょう。

出典:TOEIC Program DATA & ANALYSIS

ちなみに前述の「IPテスト」だと、その割合がさらにさがり、1.4%になります。また、全体的に公開テストに比べてスコア分布が下に下がっていることもわかります。

だからこそ、企業側から見た時には、転職時も昇格時にも「この人は努力をした人だ」という評価になるのは当たり前のことでもありますね。

自分スゲーと思える

いっても900点は英語初学者にはなかなかとれる点数ではありません。
そこに到達するために、多くの努力と時間を積み上げたもののはず。
ゆえに頑張った自分を褒めてあげたくもなりますし、なによりも結果が届いた瞬間には「おおっ!」とか「おしっ!」とか必ず何かの声を発してしまうくらい、テンションがあがる自分を感じることができます。
努力が報われる、というのはやはりいい体験です。

TOEICスコアが基準になっているものは基本的にすべてクリアできる

 TOEICスコアは色々なところで基準として設定されています。

○求人

TOEICの運営団体であるETSによる調査によると「上場企業を対象に行った2013年の調査」によると、約7割の企業が採用時にTOEICの点数を参考にしていると回答しています。(2013年時点の調査なので現在はさらに割合が上昇していることが想像されます。)

 

でも実際にTOEICを受験している人が気になるのは、「英語力」を求められる会社で求められる具体的なTOEICスコアですよね。冒頭に述べたとおり、外資系企業では実際にはTOEICスコアを求められず「面接自体が英語で実施される」のですが、「英語公用語化」で有名な楽天を例にあげると新卒でも「TOEIC800点以上、または近く到達する強い意志のある方」が入社基準になっています。その他はポジション別に例えば「英語要件: Business Level、日本語要件: Conversational Level」という表記になっているので、このあたりは外資系企業に近づいてきているように感じます。

私は外資系企業で10年以上人事担当として、採用に関わってきました。外資系企業とはいえ、部門によって求められる英語力は異なります。また、英語が求められない部門での採用でも、企業カルチャーに馴染んでもらうためには英語への拒否反応がある人よりは無い人のほうがよいというのは想像に難くないですね。

例えば、実際に職務経歴書(CV)に書かれたTOEICのスコアに対して私がどのような反応を示すか、というと、

英語が不要な部門(国内営業など)だと、

 TOEIC 600点未満:「CVに書くまでもないのにな。。」

 TOEIC 600点台:「ふ~ん」

 TOEIC 700点台:「おっ。結構頑張ってるね」

 TOEIC 800点台:「外資を勘違いしてるかも。このポジションにはもったいない」

 TOEIC 900点台:「むしろカルチャーギャップが起きるかも。。採用を控えよう。。」

でした。

逆に英語必須の部門だとTOEIC点数はほぼ関係ありません。書いてなくても英語面接をしますし、逆に700点を下回っていたら書類選考で落としちゃいます。

○昇格・昇進

私の経験の中でいうと昇格・昇進基準にTOEICスコアが求められる会社は、実はそれほど英語力を求められません。なので逆に「最低基準」としてのTOEICスコアを手に入れれば十分ともいえます。

それよりも出世の必要経験としての「国際部門」に期待されているスコアが、現実的に求められているものと考えてみるのがよいのではないでしょうか?となると、TOEIC700点以上が必須要件にも見えます。

○海外出張

海外出張にTOEIC基準を設けている会社もたくさん存在します。これも感覚値ではありますが、900点だと基本的にクリアすると思います。

 TOEIC900点のデメリット

ここまでメリットを書いてきましたが、私が感じるデメリットも書いてみます。

900点とっても英語ペラペラにはなれない

私が英語学習を始めた頃、TOEIC900点というのは神の領域だと思っていました。が、900点を取っても映画は字幕つきでは見れないし、子供向けの英語のテレビ番組すらきっちりと理解はできません。これはTOEICに特化した英語学習をしているからでもありますが、英語の世界はまだまだ奥深いものなのです。

英語ペラペラだと思われる

メリットでもありますが、「英語できる人」と思われるので、結構重要な会議等にも呼ばれてしまいます。国外からのエライ人が来られる際に何かとイベントにも呼ばれてしまいます。そしてそこで英語力の低さが露呈されてしまうし、その直前に心の底から焦ります。

 でもだからこそTOEIC900点には意味がある

でもこのようなことがあるからこそ、英語の基礎を高いレベルでクリアした「TOEIC900点」の人は、さらなる自己研鑚へのモチベーションを維持できるということにもなります。

具体的な勉強方法については追って更新していきますね。

こちらの記事も参考に!

爆速でTOEICの点数をあげたい場合の勉強法
とにかく早くTOEICのスコアをあげたい人に。TOEIC900点は誰にでも必ず取れる。コツはTOEICに出る問題を解き、TOEICに出ない英語を勉強しないこと。そしてタイムマネジメント。これだけ。

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